有効求人倍率と就職のミスマッチを無くす

有効求人倍率とは、企業が提示する求人の総数と、ハローワークに登録された求職者の総数のバランスを指します。求人の総数を有効求人数、登録された求職者の数を有効求人登録者数としてその数字の計算式を出すと、有効求人数÷有効求人登録者数となります。この数字が1より大きければ求職者1人が応募できる求人の数が多い、つまり雇用情勢が安定し、就職しやすいと判断できるのです。景気判断の指標として参考にされるが、現実に即しているとは言い難い面があります。

その理由のキーとなるのが新卒者の数。有効求人登録者数はハローワークに登録していることが前提で、未登録の新卒者は含まれません。しかし企業が示す有効求人数の対象者には特に定めがありません。さらに、平成19年の年齢制限廃止により、求人に年齢を明記できなくなった。そのため実際に求職活動をしていく中で、実は企業側が求めるのが新卒だったという事実を後から知るといった例も後を絶たないのが現状です。有効求人倍率が1を上回っているのに就職が上手くいかないストレス、また就業後のミスマッチを防ぐためにも思い切って企業側に確認してみるというのも1つの方法。終身雇用が崩れつつある現代では転職は当たり前、それを受けて求人内容は多様化しています。例えば営業職1つを取ってみても、若さゆえのフットワークの軽さを重視する会社もあれば、熟練された技術力を必要としている会社も。企業が何を必要としているのか、求職者も厳しい目を向けチェックすることもこれからは大切です。