転職活動の準備を始めるにあたり、早めに大手の人材紹介会社が運営する転職サイトや求人情報誌などを活用して、志望業界の最新の有効求人倍率をチェックすることが大事です。また、同じ業界でも職種によって有効求人倍率に大きな差が見られることもあるため、過去に経験がある職種の求人数や採用状況などを把握しましょう。たとえば、事務や経理などのデスクワークがメインの職種については、業界にかかわらず有効求人倍率が低めになっており、業務経験がない人や資格がない人は、パートであっても採用されにくい状況となっています。
一方で、介護や飲食などの慢性的に人手が不足している業界では、地域によって有効求人倍率が十倍を超えることも珍しくありません。そうした中、すぐに新しい職場から内定を獲得したい人は、有効求人倍率が高い業界の求人をメインに探してみるという方法もあります。有効求人倍率は、景気の変化や求職者の需要などによって不定期に変化するため、近い将来に転職をしたい人は、じっくりと興味がある業界の動向を確認することが重要です。なお、年間を通して有効求人倍率が高い職種の中には、業務内容や勤務時間などがハードなものが目立ちますが、未経験者や年齢が高い人であっても正社員として働ける可能性があります。そこで、転職後に新しい職種にチャレンジをしたい人は、有効求人倍率を参考にしつつ、中途採用者の受け入れ態勢がしっかりと整っている企業の求人に応募してみることが大切です。